GEアビエーション・サービス社長兼最高経営責任者(CEO)ジャン・リュドン=ロジェール(Jean Lydon-Rodgers)氏は、新しい合弁会社によりGE90およびGE9Xエンジンのオペレーターが優れたMRO能力を活用できるようになると述べています。GE90エンジンはボーイング777-300ERと777-200LRに独占的に採用されており、GE9Xは2020年に就航予定のボーイング777X機に搭載される唯一のエンジンです。
シンガポール貿易産業省のS・イスワラン(S Iswaran)大臣は合弁契約の調印式で、シンガポールは商業航空業界のトップ3メーカーのエンジン整備能力を備え、さらに新世代GE9Xエンジンに対応する能力を備えたアジア太平洋地域唯一の場所になるとコメントしました。また「シンガポールは小さな国だが、ワンストップのMROを実施できる世界最先端のMRO事業者のひとつを有し、世界のMROアウトプットの10%を担っている。新会社の設立は、シンガポールの航空宇宙エコシステムに対する業界の信頼、強力な人材プール、そして、域内と世界への優れたアクセス性を証明するものといえる」と述べるとともに、アジア太平洋地域は世界最大の航空市場となり、20年後には世界の航空機の約40%を占めるようになるだろうとの見通しを示しました。さらに「シンガポールの航空宇宙産業は、我々政府が業界変革の取り組みにおいて役割を果たしている限り、この機会を存分に活用して成長し続けることができるだろう」と語りました。
シンガポール経済開発庁(EDB)のリム・コックキアン(Lim Kok Kiang)副次官は、同合弁事業はアジアにおけるMROの主導権をシンガポールが握ることを明確にするものであるとし、「地元のエンジニアや技術者は、この先進施設でデータ解析、先端材料や自動化に関する高度なスキルを身に付けることを期待できる」と述べました。
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