そんな未来のバッテリー産業を中核事業としてとらえ、グローバルに展開を図っているのが村田製作所だ。その村田製作所はバッテリー事業の柱であるリチウムイオン電池の半分以上をシンガポール工場で生産している。
村田製作所の次なる柱。バッテリー事業
村田製作所は電圧を変える電子部品であるコンデンサで世界シェア4割を持つグローバル企業だ。しかしパソコンやスマートフォンの市場が飽和する中、次なる成長の柱としてバッテリー事業に注力をしている。村田製作所の代表取締役専務執行役員モジュール事業本部長の中島規巨氏は、「電池事業は産業のコメ。村田のポートフォリオの中核に育てていきたい」と語っている。そんな村田製作所の電池事業だが、その取組は既に10年以上前にさかのぼる。リチウムイオン電池領域への拡大を10年以上計画した後、2017年9月にソニーから約175億円をかけて電池事業を買収。将来の成長事業の柱として開発に取り組んでいる。もともとソニーは1991年に世界に先駆けてリチウムイオン電池の量産に乗り出し、高い技術力を持っている。このソニーの技術力と村田製作所が培ってきた電源技術が組み合わさることで来るべきIoT社会において新たな市場を切り開こうとしている。