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JR東日本

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日本企業が海外進出をする上でハードルとなるのが文化や社会の違いだ。そのギャップを埋めるために企業が現地に精通した適切なパートナー選びが欠かすことができない。今回ご紹介するOne&Coは、「日本とシンガポールをつなぐビジネス創造プラットフォーム」というコンセプトのもと2019年8月にオープンした新たな形のコワーキングスペースだ。


新たなビジネスのためのコミュニティ

JR東日本はすでに訪⽇旅⾏の情報発信プラットフォーム「JAPAN RAIL CAFE」や、チャンギ国際空港のジュエルエリアに日本食や日本の物産などが楽しめる店舗「 JW360°」など一般消費者をターゲットにした生活サービス事業を展開している。今回ご紹介するOne&Coはシンガポール進出を行う日本企業のためのビジネスプラットフォームだ。一般的なコワーキングスペースとは異なり、One&Coの役割はさまざまな国のビジネスコミュニティとつながりをつくり、新たなビジネスの形成に役立つ環境を提供することである。セミナーなどで共に学ぶ“コラーニング”や、メンバー同⼠の交流による“コミュニケーション”を通じて、新たなビジネスが⽣まれる環境づくりが行われている。
 


ビジネスを成長させるOne&Coの強力なサポートネットワーク

One&Coのコミュニティはさまざまな立場の人々をコワーキングスペースに集めるようにデザインされている。企業の新規事業担当者やスタートアップに始まり、⽇本・シンガポール双⽅のアクセラレーターやベンチャーキャピタル、⾦融や法律、会計などのアドバイザー、さらにはメディア・貿易・法律・デザイン・コンサル・教育・スポーツ・人材など各分野の専⾨家が集まっており、One&Coを拠点としたビジネスエコシステムが構築されている。

一方、シンガポールの現地企業にとってもOne&Coは、新たなパートナーとの出会いの場として機能している。入居企業の一社であるシンガポールのKGP LEGAL LLCは、あらゆる法的サービスを提供する法律事務所として、さまざまな商業契約や投資取引などの包括的サポートなどを手掛けている。また法務部門を持たない日本の中小企業に対しては、中小企業の社外弁護士としてサポートを行っており、市場参入から、知的財産の問題、企業設立など海外進出を行う日本企業にとっては大きな助けとなっている。このKGP LEGAL LLCは、香港、バンコク、クアラルンプールなどにオフィスを持ち、各種業界において個人起業家から中小企業までネットワークも幅広い。KGP LEAGL LLCとしてはOne&Coの環境はクライアントにとって日本と東南アジア間で新しい事業を進めていくのに最適な環境だと感じている。

また、有識者・政府系団体からのアドバイザーも招聘され、セミナーやイベントなども週3日の頻度で行われており、日本企業が海外進出の際に課題と感じる言語や企業文化に対する相互理解が深まりつつある。例えばシンガポールの政府系アクセラレーターと連携して日本市場向けセミナーを開催したり、海外進出を⽬指す⽇本のスタートアップ5社がOne&Coを拠点に現地企業への商談などビジネス拡大のためのチャレンジの拠点としての活用などが行われている。こうした活動から、⽇本からの進出拠点としての事例も増えている状況だ。

 

日本企業のローカルビジネスコミュニティへの参加を促進

One&Coは日本企業にとって最大の課題の一つであるパートナーづくりにおいて、現地でのネットワークが自然と作られて、それに従ってビジネスが広がっていくという環境が醸成されつつある。例えば、One&Coの入居企業の1社である包装容器メーカー東洋製罐グループホールディングス株式会社では、シンガポールにおいて社会課題を解決する事業の創造に取り組んでいる。同社は、意思決定のスピードの違いや、社会課題を解決する事業への認識違いなど、現地企業の多くが日本企業の慣行と異なることを発見した。現在同社はOne&Coのコミュニティに参加することで、潜在的なパートナーとなる企業と一過性ではないコミュニケーションを築き、ギャップを埋められる可能性を感じている。また、アイデアからビジネスモデルの構築までスピード感を持って取り組み始めている。

こうした海外進出に強いパートナーと出会え、日本とシンガポール以外の多彩な国にネットワークが広がっていくことも、One&Coの大きなメリットであり、ビジネスがスピーディに広がる環境づくりにつながっている。

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