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武田薬品工業がシンガポールに 初のポジティブエネルギービルを開所

武田薬品工業がシンガポールに 初のポジティブエネルギービルを開所

武田薬品工業は、同社のグローバル製造ネットワークおよびシンガポールの製薬業界において初となるポジティブエネルギービルを開所した。同ビルは、消費するエネルギーの115%以上を敷地内の再生可能エネルギー設備で生産していることから、シンガポール建築建設庁よりグリーンマーク制度の「Platinum Positive Energy」認定を獲得している。なお、同社は2035年までに自社の事業活動における温室効果ガス排出量をネットゼロにすることを目標としている。


写真提供:©タケダ・シンガポール

写真提供:©タケダ・シンガポール

武田薬品工業株式会社(以下、「タケダ」)は2023年3月、シンガポールのJTCウッドランズ工業団地に同社初となるポジティブエネルギービル(その施設で消費するよりも多くのエネルギーを生産するビル)を開所した。

同ビルは、シンガポール建築建設庁(BCA)によるグリーンマーク制度の「Zero Energy」認定スキームに準拠して建設されている。消費するエネルギーよりも生産するエネルギーの量が上回っていることから、シンガポールのバイオ医薬品業界では初となるグリーンマーク制度の「Platinum Positive Energy」認定を取得した。
 

タケダは、シンガポールのグレース・フー(Grace Fu)持続可能性・環境大臣、石川浩司駐シンガポール日本国特命全権大使をはじめとする来賓を迎え、3月30日(木)にオープニング・セレモニーを開催した。
 

写真提供:©タケダ・シンガポール

写真提供:©タケダ・シンガポール

「タケダがこれからも成長を遂げるには、患者さん、ステークホルダー、社会のために長期的価値を創出すること、そしてともに働く仲間、地域社会、いのちを育む地球に対して前向きな影響をもたらし続けることが欠かせません。私たちは 2035 年までに自社の事業活動から排出される温室効果ガスのネットゼロを達成することを目標としています。タケダ初のポジティブエネルギービルは、その目標に向けた私たちの取り組みを象徴する大きな成果です。今回の『Platinum Positive Energy』認定は、タケダが革新的なソリューションを通じて環境の持続可能性を追求していることを証明しています。このビルは、当社のグローバル製造ネットワークにおいて初となるポジティブエネルギービルなのです」

トーマス・ウォスニフスキー(Thomas Wozniewski)

武田薬品工業株式会社

グローバル マニュファクチャリング & サプライ オフィサー

「ポジティブエネルギーの実現は、タケダにとって大きな成果であるだけではありません。これによって、シンガポールのバイオ医薬品業界に新たな前例と基準がもたらされました。今回のビル開所は、私たちシンガポール経済開発庁が、企業がネットゼロを上回る成果を挙げられるようサポートすることにより、シンガポールの持続可能性に関する目標の達成に貢献していることを示しています。タケダの今回の功績にお祝いの言葉を贈ります。私たちは今後も企業と緊密に連携しながら、シンガポールにおいて環境にやさしく持続可能な産業を推進していきます」

ゴー・ワンイー(Goh Wan Yee)

シンガポール経済開発庁

シニア バイス プレジデント兼ヘルスケア部門責任者


建物の建設と運営により排出される二酸化炭素は、世界全体の排出量の中でも大きな部分を占めています。タケダは、環境に配慮した持続可能なかたちで事業を運営していくため、温室効果ガスの排出量削減と天然資源の保全に取り組んでいる。

この新しいビルは、タケダのシンガポールにおける事業拡大の拠点となる。従業員約 200 人分のオフィススペースを備えており、将来的には現在の収容人数をさらに増やすことも可能だ。

新しいビルの主な特徴

  • 1,600平方メートル分の太陽光パネルを設置
  • 日々の運用において、エネルギー需要を削減するための最終手段の一つとされている、屋外の天候や施設内の人数を考慮した気候専用機械学習アルゴリズム「気候のインターネット(IOC:Internet of Climate)」を活用
  • 日射熱を排除するファサードや、ポリエチレンテレフタレートでコーティングされた二重ガラスの窓パネルを採用
  • 自然光の透過率を確保しつつ赤外線や紫外線を遮断することで、採光を妨げることなくビル利用者の快適性を高める窓を採用
  • ビル利用者の作業環境を改善するサーカディアン照明(人間の生体リズムに合わせた調光・調色を制御する照明設備)を導入

熱帯気候に合わせてつくられたBCAのグリーンマーク制度は、シンガポールの建築物の環境への負荷や性能を評価するものだ。世界でも知名度が高く、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも沿っている。「Platinum Positive Energy」認定を受けるためには、消費するエネルギーの115%以上を敷地内の再生可能エネルギー設備で生産する必要がある。

タケダ・シンガポールでは2022年にも、製造拠点の品質ラボラトリーがNPO法人My Green Labから最高レベルの認定を受けたことで、より持続可能な事業の運営に向けて一歩前進していた。この認定は、研究所が持続可能性に向けて優れた取り組みを行っている証として世界中で認められているほか、国連による「Race to Zero」キャンペーンでもゼロカーボンの未来に向けた進捗を測る重要な指標として認められている。

シンガポールは、タケダのグロース&エマージング マーケッツ(GEM) ビジネス ユニットの事業はもちろん、同社のグローバル事業においても重要な拠点となっている。シンガポールのヘルスケア業界を支えるシステムを強化することは、タケダがアジア太平洋地域およびGEMにおいて患者さんの暮らしを豊かにするという目標を達成する上で極めて重要だ。

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