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3,600万SGDを投じた新センター、自動運転車両のテストを開始

3,600万SGDを投じた新センター、自動運転車両のテストを開始

自律走行車(AV)テストセンターが2017年11月に正式オープンしました。ここでは、シンガポールの道路や交通状況を再現したテストサーキットを使用して、自動運転車両の性能試験が行われます。


広さ2万平方メートルのテストセンターには降雨シミュレーターと洪水ゾーンもあり、異なる気象条件下でAVの走行性能をテストすることができます。試験コースの要所に360度対応の監視カメラ7台が設置されており、リアルタイムの映像を監視評価システムに配信します。同施設は、2017年8月に開設された自動走行車のテストセンター(CETRAN)の一部として、3,600万SGD(29億1,600万円)を投じて南洋理工大学(NTU)、陸上交通庁(LTA)、そしてJTCコーポレーションが共同開発しました。

開所式にてコー・ブンワン(Khaw Boon Wan)運輸大臣は、同施設は自律走行車の開発者が路上のさまざまなシナリオをシミュレーションして技術をテストすることができる「安全かつ柔軟に設定可能な」テスト環境を提供するものだと述べ、「乱暴な運転や、自転車やモバイル機器を使用している人など他の道路利用者がいる状況でのテストも行われる」と語りました。
 

NTUのフューチャーモビリティソリューション(自律走行車)のプログラムディレクター、ニールス・デ・ブール(Niels de Boer)氏は、同センターの開設により、ワンノースやブオナビスタなど指定されたAV試験ルートで試験を行う前に新車両の試運転が可能になると語りました。また、将来的には同センターで運転手のいない無人AVの安全性のテストも行う予定とのことです。

同センターを管理しているNTUによると、今後半年間にわたって自律走行車開発社6社が同施設を利用予定です。その1つが米国とシンガポールに拠点を置くベンチャー企業のヌートノミーで、来年半ばまでにシンガポールでの自動運転タクシーの商用化を計画しています。

同社最高執行責任者のタグ・パーカー(Doug Parker)氏は「ここAVテストセンターでは、ワンノースでは実現できない、ロボットバイクやマネキンを使った非常に難しい状況を想定したシナリオを組むことができます」と述べました。

出典:The Strait Times © Singapore Press Holdings Limited. 無断転載禁止

1シンガポールドル(SGD)=81円(2018年3月22日現在)

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