このような⼯場を誘致することで、シンガポールは富裕国には珍しく製造業の低迷を反転させた。世界銀⾏の統計によると、国内総⽣産(GDP)に占める製造業の割合は2005年の27%から2013年には18%に低下し、この都市国家は産業の衰退に直⾯した。
しかしその後、製造業が復活。世界銀⾏の最新のデータによると、2020年にはGDPの21%に上昇した。シンガポール政府のデータによると、2021年はGDPの22%を占めた。
⽶複合企業ゼネラル・エレクトリックは今年、シンガポールで3次元(3D)プリンターを使⽤してジェットエンジンのブレードの修理を始めた。半導体ウエハーメーカー、独シルトロニックと台湾のファウンドリー⼤⼿UMC(聯華電⼦)は、当地に⼤規模な新施設を建設している。ノルウェーの太陽電池メーカーRECグループは、シンガポールの施設で先進的なレーザーを使⽤して太陽電池セルをカットしている。また、さまざまな多国籍企業が、DNA検査⽤の実験器具を当地で⽣産している。
シンガポールは、税控除や研究協⼒、労働者訓練の助成、多国籍企業への⽀援強化に向けた地元メーカーへの補助⾦給付などのインセンティブを提供し、⾼度に⾃動化された⼯場を積極的に誘致している。
ただし、シンガポールの成功は、多くの仕事を⾃動化することで達成されている。国際ロボット連盟(IFR)によると、シンガポールは従業員1⼈当たりの⼯場ロボット数が韓国を除くどの国よりも多い。
シンガポールの雇⽤に占める製造業の割合は、2013年の15.5%から昨年は12.3%に低下した。製造業に従事する労働者数は8年連続で減少している。