5
成長を支え、パートナーシップを祝う〜2024年 新年のご挨拶〜

成長を支え、パートナーシップを祝う〜2024年 新年のご挨拶〜

2024年という新しい年を迎えるにあたり、シンガポール経済開発庁(EDB)を代表してご挨拶申し上げます。昨年は、日系企業のシンガポールでの並外れた功績と、日本とASEANの友好関係の揺るぎない強さを示す一年となりました。私たちはこれまで協力と前進の精神で共に歩み、そして、その重要な節目をここで振り返れることに大きな喜びを感じています。


シンガポールに進出する日系企業の2023年の重要なマイルストーン

私たちは2023年、数々の節目を祝い、ビジネス関係をより強固なものにしました。富士フイルムはシンガポール事務所創立40周年、シマノ、マキノアジア、日本通運はシンガポール進出50周年を迎えたのです。シンガポール独立直後に設立され、成長を目指してきたこれらの企業の取り組みは、シンガポールの各産業分野を強化するだけでなく、シンガポールとの信頼関係やパートナーシップを長期的に築き上げてきたことを表しています。

2023年、シンガポール政府は、シンガポールの炭素税制度に基づくカーボン・オフセットの利用に関する一連の適合基準を導入しました。これは、シンガポールの気候変動対策目標の達成を後押しするもので、企業がより環境に優しい事業に移行することを支援するため、CO2排出量を取引する質の高いカーボン・クレジット市場を創設することを目的としています。このような取り組みを進めるなか、武田薬品工業の「ポジティブエネルギービル」の開所式に出席できたことも光栄に思います。消費する電力よりも多くの電力を生産するポジティブエネルギービルは、武田薬品工業のグローバル製造ネットワークおよびシンガポールの製薬業界において初の設置となります。

またシンガポールでは、サプライチェーンマネジメント推進に向けた私たちの取り組みについて再確認し、ポートフォリオの多様化やサプライチェーンのリスク回避といった企業のニーズの高まりに対応するため、人材の育成に取り組んでいます。資生堂、エクシオグループ、ポッカサッポロフード&ビバレッジなど、革新と新技術で変化を促す業界大手のアジア太平洋地域の拠点が引き続き置かれることを、喜ばしく思います。

成長を支え、パートナーシップを祝う〜2024年 新年のご挨拶〜

ライオネル・リム(Lionel Lim)​ 日本・韓国地区担当​ 部長兼バイスプレジデント

さらに、日本とシンガポールのイノベーションに関するパートナーシップも実現しました。8月には鹿島建設が、最新鋭の研究室を5つ構え、全現地スタッフの集結する地域本部であり、研究開発、グローバルのイノベーション拠点でもある「The GEAR」をオープンしました。これにより、業界関係者、スタートアップ、大学間での協力や情報共有が促進されることを期待しています。また、中外製薬の血液疾患の治療薬「クロバリマブ」が臨床試験の最終ステップを終えたことも忘れてはなりません。この薬はシンガポールの研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチが中心となり開発を進め、シンガポール初のグローバル医薬品となる可能性があります。さらに最近では、藤田医科大学とシンガポール国立大学が、メディカロイド製の手術支援ロボット「hinotori」を使い、5,000kmを超えるシンガポール・日本間での遠隔手術の実証実験を成功させました。

これらはすべて私たちが共に成し遂げてきた目覚ましい成果の例であり、今後もパートナーシップを継続することで、さらなる成果が期待されます。
 

「The GEAR」にて

「The GEAR」にて

日・ASEAN友好協力50周年

2023年はまた、日本ASEAN友好協力50周年という記念の年でした。私たちが50年にわたり強固なものにしてきた、相互尊重、文化交流、経済協力による絆に加え、これからも新たな協力の道を模索し、イノベーションを育み、進化する世界情勢に対応しながら、その先にあるチャンスを受け入れていきたいと思います。

皆様の献身と揺るぎないご支援に心より感謝申し上げます。共に繁栄、成長できる有意義なパートナーシップに彩られた未来を、これからも楽しみにしています。

ライオネル・リム(Lionel Lim)
日本・韓国地区担当
部長兼バイスプレジデント

関連記事