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ワールドクラスの二大空港 チャンギ国際空港と羽田空港

ワールドクラスの二大空港 チャンギ国際空港と羽田空港

イギリスのスカイトラックス社が毎年発表する全世界の空港の格付けランキング「ワールド・エアポート・アワード」。毎年多数の顧客調査に基づいてランク付けされ、2018年度は1,373万人から顧客満足度が調査された。


チャンギ国際空港

チャンギ国際空港

シンガポールのチャンギ国際空港は、そんな栄えある賞で6年連続第1位を獲得している。日本の羽田国際空港は第3位にランクインした。今回は長年、多くの利用者を惹きつけてやまないチャンギ国際空港と、快適さで高い評価を受けている羽田空港と進化する未来の空港の形についてご紹介しよう。

 

多くの人を魅了するチャンギ国際空港

チャンギ国際空港の利用者は2017年度には6,220万人を超えた。新たにターミナル4が開業したことが大きいが、6年連続世界1位に評価される最大の理由が、さまざまな空港内の施設だ。通常、空港ではレストランやショッピングなどの設備が整えられているが、チャンギ国際空港の施設はまるでテーマパークといってもいい優れたエンターテイメント性を提供してくれる。
 

巨大なテーマパーク空港

例えば、空港内には4つの美しいガーデンが設けられており、空港内でありながらさまざまな植物の中を散策できる。最も代表的なガーデンが、ターミナル3にあるバタフライガーデンだ。ここでは温室内で数十種類の色とりどりの蝶と熱帯植物が楽しめる。また、オーキッドガーデン&コイポンドでは、鯉がいる池とシンガポールの国花でもある蘭の花が咲き誇る空間が登場する。こちらはセキュリティゲート内にあるためシンガポールの最後の思い出作りに最適だ。こうした空港とは思えない環境に加え、プールと映画館が利用できる。特に映画館は24時間誰でも無料で利用することが可能で、フライトまでの時間つぶしには最適と言えるだろう。また、プールは空港内にあるトランジットホテルの施設として、宿泊客以外も利用できる。こうしたアメニティは、子供向けも充実している。4階から1階まで滑り降りる巨大滑り台のアトラクションや、XboxやPlayStationが設置されたエンターテイメントデックは子供にも大人気だ。このほか、無料で使えるインターネットコーナーやレストラン、お土産など、他の空港では見られない充実した施設がチャンギ国際空港が人気の理由なのだ。
 

チャンギ国際空港

チャンギ国際空港

シンガポールの伝統建築であるプラナカン建築を模したインテリア

シンガポールの伝統建築であるプラナカン建築を模したインテリア


羽田空港は快適さと清潔さで3年連続第1位

一方、羽田空港は綜合順位で3位にランキングしている。また、空港内での快適さや清潔さが高く評価され、3年連続で、最も清潔な空港ランキング第1位に選ばれている。この清潔さが長年保たれている背景には、全国ビルクリーニング技能競技会優勝者や環境マイスターなどの専門スタッフを中心に、利用者に常に快適に過ごしてもらう日常のこだわりが大きい。また、羽田空港は日本国内のあらゆる場所にアクセスできる中心的な存在から、その機能性、利便性が高く評価され国内線ランキングでも第1位にランクインしている。実際、羽田空港の年間利用者は8,500万人を超えるが、国内線の利用者は6,800万人におよぶ。羽田空港はこうした快適さ、利便性に加え、飛行機の離着陸が見える展望デッキや、ラウンジで寛ぎながら鑑賞ができる空港内美術館ディスカバリーミュージアムなど、フライトまで落ち着いた時間を過ごすことができるのが魅力だ。

 

更なる開発で時代の先を行く両国の空港

チャンギ国際空港は、今後もさらに発展する予定だ。2019年には、「ジュエル・チャンギ・エアポート」がオープンする。「ジュエル・チャンギ・エアポート」は、10階建ての複合商業施設で、床面積13万3780平方メートルのスペース内には、飲食店や小売店などおよそ300店舗以上が入居する。また、屋内では世界最大規模の大きさとなる滝や、大自然による巨大な迷路などが加わります。一方、羽田空港も一大開発プロジェクトが進行している。このプロジェクトは海外からの玄関口である国際線ターミナルに近い3つのエリア、「羽田空港跡地第1ゾーン」「羽田空港跡地第2ゾーン」、更には隣接する川崎市に「キングスカイフロント」を開発する計画だ。これにより研究開発施設などの先端産業拠点と、クールジャパン発信のための文化産業拠点、更にはホテルや一大商業複合施設などがオープンする。両国の空港は、今後の世界の空において重要な存在になるだろう。

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