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成長する東南アジア市場でビジネスを迅速にスタートさせるための『シンガポール進出の手引き』

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国内総生産(GDP)4兆ドル(約608兆円)規模の経済圏である東南アジアは、約7億人の消費者を擁し、2030年までの成長率は4.6%とも予測されている(「SYNC Southeast Asia Report 2023」から)。世界銀行の「Ease of Doing Business Rankings」ではアジア1位を獲得するなど拡大市場のハブであるシンガポールで、日本企業や個人が迅速に事業を立ち上げるためにはどうすればいいのか。15分程度で完了するシンガポールの会社登記の方法などを『シンガポール進出の手引き』に沿って紹介する。 ※ポケットガイド『シンガポール進出の手引き』はこちら

ステップ1 適切なビジネス形態の選択 

シンガポールで事業を始める際には、多様なビジネス形態から選択できる。 

法人格を有せず、個人または法人が単独の責任で事業を行う「個人事業体」や、2〜20人のパートナーが共同で責任を負って事業を行う「パートナーシップ」、法人格を持ち、2人以上のパートナーが有限責任のもと事業を行う「リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(LLP)」、法人格を持ち、会社の構成員は、会社の債務および損失に対して責任を負わない「会社」など、新会社を設立する形態には6種類がある。 

さらにそのほかの選択肢として、例えば日本企業を親会社としてシンガポールに子会社を設立する「現地法人設立」、日本企業を親会社としてシンガポールに支店を設立する「支店設立」などがあり、事業者は適切な形態を選ぶことで、ビジネスを効率的に展開できる。 
 

ステップ2 会社の設立 

ビジネス形態が決まれば、次に会社名を申請する。企業登記を管轄する政府機関であるACRA(Accounting & Corporate Regulatory Authority)のポータルサイト「BizFile+」からオンラインでの申請が可能で、承認は早ければ数分、他の政府機関の承認や審査が必要な場合でも14日〜2カ月で得られる。 

その後、承認を得た会社名、登記住所、事業内容などの情報や書類をそろえ、ACRAに対し会社設立の登記を行う。この申請もBizFile+で行うことができ、情報や書類に不備がなければ15分程度で会社の登録が完了する。そのスピードが示すように、シンガポールでは会社の立ち上げが非常に簡潔だ。 

なお、登記の手数料はビジネス形態により異なり、個人事業体で115SGD(約1万3,000円)〜、会社で315 SGD(約3万6,000円)となっている。 
 

ステップ3 ビジネスの運営 

東南アジア最多となる日系企業87社が統括拠点を構えるシンガポール注1に会社を設立したら、いよいよ事業の運営が始まる。その活動を行う場であるビジネススペースのうち、大規模な企業オフィスは「セントラルビジネス地区(CBD)」に集中している。CBDはシンガポールの金融・商業の中心地で、事業の成長に向け、他社とのネットワークや協業を促す環境が整っている。 

また、小規模なスペースである「サービスオフィス」や、共同でオフィスを利用する「コワーキングスペース」、さらに、産業関係者間で協業することができる「ビジネスパーク」もある。郊外に複数あるビジネスパークは、成長分野の企業が集まる「ワンノース」、先進製造業の拠点が集まる「ジュロン・イノベーション地区(JID)」、シンガポール初のスマート地区である「プンゴルデジタル地区(PDD)」などが代表的だ。 

一方、事業に欠かせない銀行口座については、シンガポールはアジア太平洋地域の金融の中心地であることから、600社を超える金融機関が本拠地を構える。きめ細かなサービスを提供する地元銀行や国際的な大手銀行など多様な金融機関が、企業のあらゆるニーズに対応している。 

金融について、法務や税務に関して専門的な助言や支援を必要とする場合、事業者は、アドバイザリーサービスを提供するサービスプロバイダーにサポートを求めることができる。 

例えば、法律サービスに対応するシンガポール国内の法律事務所は1,100社を超えるなどサービスプロバイダーは豊富で、シンガポール経済開発庁(EDB)はそのネットワークを整備することで、企業のシンガポールへのスムーズな進出をサポートしている。 

その他、人材の採用や税制、ユーティリティなどについて、詳しくは『シンガポール進出の手引き』にまとめられている。

注1: 日本貿易振興機構(ジェトロ)「2023年度 アジア大洋州地域における日系企業の地域統括機能調査報告書」参照 
 

*1シンガポールドル(SGD)= 約113円(2024年4月1日時点) 
1ドル(USD)= 約152円(2024年4月1日時点) 

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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