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ジュエルチャンギ空港 世界発信のゲートウェイに進出する日本企業

ジュエルチャンギ空港 世界発信のゲートウェイに進出する日本企業

世界一の利用者数を誇り、7年連続で世界空港ランキング第1位にランクインするシンガポール・チャンギ国際空港。そんなチャンギ国際空港に、新たに4月17日、巨大施設「ジュエル」がオープンした。この新施設「ジュエル」は、大自然とアトラクション、小売といった多彩なライフスタイルの要素を統合した一大エンターテイメントエリアだ。今回は世界トップの空港としての地位を更に高める「ジュエル」と、そこから世界へ向けて発信に動き出す日本企業の取組をご紹介しよう。


ジュエル:チャンギ国際空港に登場した巨大な複合エリア

ジュエルは、マリーナベイサンズのデザイナーで世界的に著名な建築家モシェ・サフディによって設計されている。チャンギ国際空港の中心部に位置しており、その総面積は135,700㎡。地上5階、地下5階の施設内には280店舗のショップやレストランが建ち並ぶ。そこには東南アジア最大のナイキストアや、世界初となるタイガービールのタイガーストリートラボなど、グローバルブランドからシンガポールの自国ブランドまでユニークなお店が登場している。

世界最大の屋内庭園と40メートルの滝も登場

「ジュエル」に訪れた人々は、緑豊かな庭園と巨大な滝、更には森の迷路を通ることができる。その代表的な存在がジュエルの中心でありアジア最大の屋内庭園である「Shiseido Forest Valley」だ。この庭園は、資生堂とのコラボレーションで作られた巨大庭園で、約22,000平方メートルの広さに3,000本の木と60,000本の灌木が生い茂る。そしてその中心には、高さ40メートルを誇る世界最大の屋内滝「HSBC Rain Vortex」が登場する。この滝は夜になると水のデザインとして世界的な企業WET Designによって光と音のショーが楽しめる。

 

大人も子供も楽しめる多彩なアトラクション

また、「ジュエル」の最上階には約14,000㎡の公園Canopy Parkがあり、そこでは7つのユニークな遊び場と、クリエイティブな庭園が登場する。これらのプレイアトラクションは、イギリス、フランス、ドイツ、シンガポール、オランダのトップデザイナーによって作成されている。
更に大人も子供も楽しめるアトラクションとして、長さ250メートル、最高高さ8メートルのバウンスネット「Manulife Sky Nets」や、25メートル下の1階も見下ろすことができる50メートルのウォーキングネットも登場する。更に植物で造られた巨大迷路「Canopy Mazes」や、4つの滑り台である「Discovery Slides」、高さ23メートルもの透明な橋「Canopy Bridge」なども楽しめる。

 

ジュエルを世界発信の場としてとらえる日本企業たち

280店舗の中には、ユニクロや無印良品、東急ハンズなど、グローバルに展開する日本企業も多数進出している。しかし、ジュエルには、こうした有名ブランドだけではなく、ジュエルを海外初進出の拠点としてとらえている企業も多い。例えば、株式会社ポケモンは、海外で初となるポケモン専門店「ポケモンセンター」を開設。ゲームソフトからカードゲーム、ぬいぐるみといったオリジナルグッズなどを販売していく。また、香水や化粧品を製造販売する株式会社メイクアップと、ドクターズコスメブランドのHIROSOPHYは、世界初出店となるセレクトショップ「MAKE HERO -JAPAN BEAUTY COSMETICS STORE-」をオープンした。「MAKE HERO」は、両社による初のジョイントベンチャーで、日本独自の高機能なビューティーアイテムを提供していく。更に、和菓子の「宗家 源 吉兆庵」はジュエルを拠点に和菓子を通して日本文化を伝えていく。こうした日本文化発信の試みは三井物産とJR東日本がオープンした「JW360°」もあげられる。「JW360°」は、レストランのコンセプトを取り入れたセレクトショップで、日本の旬の食材を使った料理を味わうことができ、名産品も購入可能だ。

 

世界のハブへ進化は続く

今回のジュエルのオープンによって、旅行者の体験価値を大きく高め、チャンギ国際空港の価値は更に高まることが予測される。しかし、チャンギ国際空港の開発はまだ終わりではない。現在、チャンギ国際空港は第4ターミナルまで稼働しているが、2026年には第5ターミナルが完工する予定だ。更に空港内はスマート化がすすめられ世界最大級の自動化された空港が完成する。シンガポールに行く機会があれば、ジュエルは是非訪れておきたいスポットだ。

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