5
多様な宗教と文化を味わう、シンガポールの3つの祝日

多様な宗教と文化を味わう、シンガポールの3つの祝日

多民族国家シンガポールには、さまざまな文化や宗教が共生しています。最近では「イースター」「ハリ・ラヤ・アイディルフィトリ」「べサク・デー」があり、それぞれの宗教的な節目をお祝いしました。


イースター・エッグハントの人気スポット、ボタニックガーデン(パンデミック前に撮影)

イースター

キリスト教徒のお祝い、イースター(復活祭)。毎年イースター・サンデーには、多くの教会で特別な礼拝が行われ、友人や家族が食事を共にします。

今年、私は従姉妹宅で家族のお祝いに参加。昼食には、伝統料理である子羊のローストと、ホットクロスバンズ(表面に十字架の模様をつけたパン)をいただきました。

最近、子供たちの間で人気が高まっているのが、公園の中に隠された色とりどりのイースターエッグを拾い集めていく「エッグハント」のイベントです。毎年、ボタニックガーデンのような多くの施設で、イースター・エッグハントが開催されます。私たちも、ボタニックガーデンの「アンフォゲッタブル・イースター」イベントに子供たちを連れていき、タマゴやウサギの形をしたチョコレートなどのスイーツを探しながら、楽しいひとときを過ごしました。

ハリ・ラヤ・アイディルフィトリ

イスラム教徒の神聖なラマダンの断食明けを祝うお祭りです。ラマダンの期間中から、シンガポールでは、ゲイラン・セライ地区のライトアップ、ラマダン・バザールなどが行われます。今年は3年ぶりにソーシャルディスタンスの取り方や定員の制限が解除され、にぎやかなお祭りとなりました。

ハリ・ラヤ・アイディルフィトリの準備のために、人々は家を掃除し、飾り付けをします。当日は、大切な人たちと集まり、新しい衣服を着用します。男性はバジュ・マラユ(ゆったりしたシャツにズボンを合わせたもの)とカイン・サンピン(短いサロン)、女性はバジュ・クルン(ゆったりしたフルレングスのドレス)を身につけます。

私は友人の家にお邪魔して、ビーフレンダン(牛肉のスパイシーココナツミルク煮)やサヨロデ(ココナツミルクとスパイスで煮込んだ野菜シチュー)などをご馳走になりました。オンデオンデ(パームシュガーの入った餅菓子)や、クッキーやタルトの盛り合わせも、紅茶と一緒にいただくと、やみつきになるおいしさでした。

料理や衣類などイスラム圏の品々が並ぶ屋台街、ラマダン・バザール

ゲイラン・セライ地区のイルミネーション

ベサク・デー

シンガポールをはじめ世界中の仏教徒の大切な祝日、ベサク・デーは、釈迦の誕生、成道、入滅を記念する日。祝祭は夜明け前に始まり、信心深い仏教徒が法要に参列するために寺院に集まります。多くの仏教徒は、その日一日を、価値のある大義のために使います。祖母は「ベサクの日に善行を積むと、徳がふだんの何倍にもなると信じられている」と話してくれました。

べサク・デーの朝、私は早起きして、仏牙寺龍華院に出向きました。寺院には仏旗が掲げられ、三宝をたたえた仏教聖歌の合唱が行われます。花やろうそく、線香などの供え物も用意し、ボウルからひしゃくですくった水を釈迦像にかける儀式を行いました。

その後私たちは、恵まれない人々のために食べ物や飲み物を配る活動の手伝い。献血に行った人もいたようです。夕方には寺院に戻り、仏像がライトアップされるキャンドルパレードに参加しました。多様な宗教のお祭りに参加できるのはシンガポールならではの経験です。私はこれからも家族や友人と一緒にいろいろなお祭りに参加し、文化や宗教について学んでいきたいと思います。

仏牙寺龍華院博物館

仏牙寺龍華院博物館

著者Edbie(エドビー)について

Edbie(エドビー)は、シンガポールのBRIDGE特派員です。シンガポールの隠れた一面を発見したり、新しい景色や流行、文化を発見したりするのが大好きです。シンガポールについて知りたいことがあればこちらのフォームからご意見をお寄せください。

関連記事