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次世代製造技術のシンガポール最新状況 技術開発と試験的導入へ乗り出す企業たち

MESSAGE FROM SINGAPORE

  • BRIDGE Magazine

現在、シンガポールでは、“自動化”と“デジタル化”といった二つの分野から次世代製造技術の導入に注力しています。今回は、シンガポールの次世代製造技術導入の最新状況をご紹介しましょう。

シンガポール経済開発庁 (Singapore Economic Development Board) 幅次官 産業グループ、エンジニアリング担当 リム・コックキアン(Lim Kok Kiang)

経済成長をもたらす次世代製造技術とは

次世代製造技術の登場は、製造業そのものの在り方を大きく変えようとしています。従来、製造業は労働集約型の産業と考えられてきました。そのため、より安い人件費を求めて生産拠点を変えるということもしばしば行われてきました。しかし、次世代製造技術を導入することで、より少ない資源で効率的にモノを作ることが可能となります。例えば日本では、次世代製造技術を取り入れることで、人口減少と超高齢化社会に適応し成長を促すといった概念、「ソサエティー5.0」を提唱しています。また、アメリカやイギリスも経済成長と雇用促進の原動力として、次世代製造技術に目を向けています。シンガポールでは、次世代製造技術を、ロボティクスやアディティブ・マニュファクチャリングなどの自動化技術と、AIやビッグデータ、ヴァーチャルリアリティなどのデジタル技術の二つの分野でとらえています。この二つの技術を製造ラインに取り入れることで、企業は、製造プロセスとリソースを最適化することが可能となります。それによって、生産リードタイムの向上と、コスト削減を実現し、企業競争力を強化することができるのです。それが、次世代製造技術が経済成長のカギとなる所以です。こうした環境から、シンガポールでは、次世代製造技術を導入する動きが続々と登場しています。

製造技術の次世代化を進める3つの環境要因

既にに多くの企業がシンガポールを拠点に技術の開発導入に動き出しています。
第一に次世代製造技術の導入をサポートする企業が多数登場しています。ABBロボディクスは、パッケージング用ロボットの研究開発(R&D)施設「ロボット工学パッケージング・アプリケーション・ハブ」をシンガポールに開設しました。また、アクセンチュアは、「IoTセンター」を開設し、シンガポールの製造業がデジタル化を行うサポートに乗り出しています。更に、シーメンスは「デジタライゼーション・ハブ」を開設し、各企業のデジタル技術開発を共に行うことを発表しています。これらの企業は、次世代製造技術の導入を目指す企業に対して、ソリューションと技術的な専門知識を提供してくれます。
第二に、優れたスタートアップ企業や中小企業とのパートナーシップが登場しています。例えば、ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーは、無人搬送車の開発で、シンガポールのテクノロジー企業Hope Technikとパートナーシップを結びました。
第三に、シンガポールでは、次世代化を進めるために国立の技術研究に積極的に取り組んでいます。シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は、次世代製造技術の採用を加速するために、2つのモデル工場を立ち上げました。また、精密エンジニアリング企業ファインメタルは、A*STARの製造技術を活用して、生産性を約10〜15%向上させることが期待されます。

 

続々と次世代製造技術への投資に乗り出す

こうした優れた環境によって、多くの企業がシンガポールで次世代製造技術の投資に乗り出しています。例えば、工作機械メーカーのYamazaki Mazakは、IoTでコントロールされた自動化工場iSmart Factory™と、ASEAN地域とインド向けのカスタマイズサービスを行う積層造形ソリューションセンターを開設しました。また、化学分析機器や電気・電子計測機器のアジレント・テクノロジーは今後5年間で8500万シンガポール・ドル(約71億円)を投資し、次世代製造技術と応用研究開発能力の向上を行います。更にモーターなどのモーションコントロール製品を手掛ける地場企業PBA システムは、次世代製造技術の導入によってユニット単位の生産コストを中国工場よりも引き下げることに成功しました。

 

次世代製造技術の最大の効果は“変化に対応する力”

次世代製造技術の導入は、技術の採用による一時的な改善ではなく、継続的な“カイゼンの旅”をもたらします。業界や顧客ニーズの変化に製造プロセスを合わせ、最適化してくれる能力を構築してくれるのです。 しかしこの進化の旅は、まだほんの始まりに過ぎません。真の次世代化のためには、もっと多くの作業が必要です。シンガポールでは、今後も製造業の皆さまが次世代化を行い、更なる成長できるサポートを行ってまいります。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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