A Singapore Government Agency Website A Singapore Government Agency Website How to identify keyboard_arrow_down
close

シンガポール イノベーションを積極推進 竹中工務店のCOT-Lab(上)

  • ニュース
  • ビジネスニュース
  • 情報通信技術
  • General

竹中工務店のオープンイノベーションプラットフォーム「CO-creation Takenaka Laboratory(COT-Lab=コトラボ)」が日本国外での活動を本格化させている。COT-Labシンガポールでは、主要テーマに関するソリューションの展開を、現地の研究機関や専門家らと共創しながら検討。今後は海外拠点のハブとして米国や欧州との連携を視野に入れ、イノベーションを積極的に推進する。【大友賢】

2024/12/19

COT-Labは、竹中工務店の技術開発部門と産官学が連携し、技術開発を幅広く推進することを目的に2020年に創設された。第1号拠点は東京の「COT-Lab大手町」で、22年には海外初拠点となる「COT-Labシンガポール」を開設。現在は日本国内に3拠点、海外で2拠点を展開している。

それぞれの拠点で活動の主要テーマが定められている。社会実装先進国であるシンガポールではデジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)に主眼を置き、「海外での産学連携による共創」「東南アジアでの技術実証」を推進している。現在の具体的なトピックは、「バイオガス発電システム」「南洋材を利用した大規模集成材(MET)」「建物や街での健康で安心な生活(健康建築=『健築』)」の3つだ。

バイオガス発電では、生ごみからつくられるメタンガスを商用・オフィス施設内の発電に利用する竹中工務店の独自技術「メタファーム」のシンガポールへの展開を検討している。現時点では、同国のベンチャーキャピタル(VC)や南洋理工大学(NTU)などと共同で実証プロジェクトを推進中だ。

COT-Labシンガポールの小椎尾龍介氏は「日本では(大阪の超高層ビル)『あべのハルカス』で、既に同システムの導入実績がある。ただシンガポールでは生ごみの分別がないため、フードコートや屋台街に導入するには飲食店の協力を仰ぐなど、さまざまな障壁を取り除く必要がある」と語った。

シンガポール国立大学(NUS)デザイン・環境学部建築学科の奥田真也准教授とは共同で、現地の気候に適した大規模集成材の研究を進めている。シンガポールは建築材料や工法などで欧州規格を採用している。

小椎尾氏は「これまでシンガポールで建てられた大小約20件の大規模集成材建築で使用している材料は、欧州規格に適合する必要から全て欧州から輸入されている」と説明。欧州の木材は現地の気候に適しているとはいえず、長距離運搬も課題であると付け加えた。
 

COT-Labのネットワーク拡大

『健築』は、「健康に寄与する建築」という竹中工務店の独自コンセプトの登録商標だ。日本で数カ所の自治体と共同して高齢者向け施設や集会所、市庁舎などの施設の設計施工に具体的な要素を取り入れながら実証実験を行っている。

シンガポールではシンガポール国立大学の清田英巳准教授が代表を務めるNPO、Ibashoのメンバーと施設プログラムの研究などを共同で始めており、その一環として、いろいろな世代が集い交流を通じて共生を促進する場としての「Ibashoシンガポール」の設計施工を竹中工務店が担当した。竹中工務店は現在、『健築』の理念を日本とシンガポールで応用する可能性を探っている。

竹中工務店はシンガポールでのCOT-Labの体制を25年から強化し、活動をさらに本格化させる。シンガポールをハブとして日本国内のCOT-Labや米国、欧州の共創パートナーと連携しながらネットワークを拡大したい考えだ。
 

※「下」に続く。
 

出典:NNA 2024年12月19日付け記事

本記事は、株式会社NNA(http://www.nna.jp/)の許諾のもと掲載しています。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

詳細を見る

  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

詳細を見る

  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

詳細を見る

  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

詳細を見る

  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

詳細を見る

  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

詳細を見る

  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

詳細を見る

  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

詳細を見る

  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

詳細を見る

  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

詳細を見る

  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

詳細を見る