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国交樹立50周年を迎え、新たな50年に向けて。 シンガポールは日本の「新たな布石」となってゆけることを願っています。

MESSAGE FROM SINGAPORE

  • BRIDGE Magazine

2016年、日本とシンガポールは国交樹立50周年を迎えました。それを記念して9月にはリー・シェンロン首相が来日して安倍晋三首相と首脳会談を行い、2015年に亡くなったシンガポール初代首相、リー・クアンユー氏には勲一等旭日桐花大綬章が贈られました。

シンガポール経済開発庁(Singapore Economic Development Board)副次官 国際事業地域担当 リム・スウィニェン(Lim Swee Nian)

両国の外交の歴史は、シンガポールの経済発展の歴史でもあります。過去50年に渡り、日本政府ならびに多くの日本企業がシンガポールに多大な支援及び投資をしてくださいました。私どもは日本企業から多くを学び、日本企業の海外市場の開拓と共に成長してきました。母国の発展に対する日本産業界の多大な貢献に、シンガポール経済開発庁(EDB)を代表して改めて深く感謝申し上げます。

実は私自身も過去30年に渡って日本で多くを学び、深い影響を受け、また、かけがえのない友人たちを得ることができました。

シンガポールの高校を卒業した後、私は1982年に日本に留学し、京都大学で電子工学を学びました。同大学では、日本中から集まった優秀な同窓生、そして世界的な論文に名を連ねる電子工学の教授陣から少しでも多くの知識を吸収しようと懸命に勉強しました。

大学卒業後は、日本の大手電機メーカーで社会人としての一歩を踏み出しましたが、そこでも、先輩達の優秀さには驚かされました。何より心に残っているのは、誰もが仕事に常に革新や改善を重ね、よりよい結果を追求しようとする姿勢です。私自身もその姿勢に学び、キャリアを通じて常によりよい結果を追求することを心がけてきました。

その後、日本で学んだことを活かしつつ、母国の産業政策の決定や経済発展の役に立ちたいと志し、EDBに入庁しましたが、公私に渡り日本に深い関わりを持ち続けて現在に至っています。過去30年間、私は日本の経済の変化を目の前で見て、両国の関係を肌で感じてきました。いま顧みると、私と日本との深い縁をつくづく感じると同時に、日本とシンガポールの経済関係の進化と共に自分のキャリアを積み重ねることができたことに心から感謝しています。

私が見てきた30年の間にも、両国の経済は変化し続けてきました。

来日当初、80年代の日本経済は強力な国内消費に牽引されて成長を続け、90年代にかけてバブル経済とその崩壊を迎えました。その後、EDB入庁後最初の赴任地である大阪では、日本の社会・経済に大きな衝撃を与えた阪神淡路大震災を経験しました。それら幾多の困難があってさえも、それらを乗り越え世界のステージで経済大国であり続けた日本の方々のスピリットには大きな感銘を受けました。

その間、シンガポール経済も同様に変化してきています。1970年代の労働集約型製造業から1990年代の資本集約型のハイテク産業への移行、そして2000年代からのイノベーション集約型の産業による新たな成長機会の模索と、世界でも「奇跡の経済」と呼ばれるほどの成長を遂げてきました。これら成長の背景には、シンガポールに拠点を開き、知識や技能を共有し、長年貢献いただいた多くの日本企業があります。そして我々シンガポールは、そういった日本企業の方々によりよいインフラや、人材や、多国語を話す労働力、そしてアジア地域から世界へと展開するアジアの拠点を提供してきました。

現在も、50年に渡る両国の良好な関係は様々な数字に表れています。今日、シンガポールに拠点を構える日本企業の数は2,800社を超え、また、2016年度における日本企業によるシンガポールへの固定資産投資額は、7億Sドルとなり、両国の経済の結びつきはますます強まっています。この関係が将来はさらに発展していくことに私は強い確信を持っています。

次なる50年に向けて、シンガポールはビジネスの場として、これまで以上に日本企業の方々のお役に立てると考えています。今やシンガポールには様々なイノベーション要素と技能を持った人材が揃っており、先端製造業、特に高付加価値製造や最先端テクノロジー導入による高効率化を目指す製造業にとっては、理想的なビジネスロケーションと言えます。また、今後の成長を追求する日本企業にとって、共創イノベーションの機会を生み出す世界トップクラスの研究機関や世界レベルの企業が集う強い経済システムのあるシンガポールは、ASEAN地区の統括機能や研究開発機能に最適です。

過去50年間積み上げてきた互恵発展と信頼関係の強固な基盤に加え、価値創造とイノベーションに共に取り組み、次の50年のさらなる経済発展を共に目指してゆける。私たちEDB、そして私自身も、シンガポールが日本のみなさまにとって、次なる経済発展の「布石」となれるよう、積極的な役割を果たせることを祈っております。

主力産業一覧

主力産業一覧
  • 「未来の航空宇宙都市」と呼ばれるシンガポールは、130社を超える航空宇宙業界の企業を擁し、アジア最大級で最も多様なエコシステムを誇ります。一流企業や宇宙産業スタートアップ企業をはじめとして成長を続ける企業が拠点を置いています。

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  • シンガポールは、アジア市場への玄関口であり、世界トップクラスの消費者向け企業の多くが、環太平洋の拠点としてシンガポールを活用しています。

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  • シンガポールは、東西のクリエイティブカルチャーが交差する場所であり、拡大を続けるこの地域の消費者基盤へ向けて開かれた扉でもあります。世界的ブランドが、地域統括会社を構えており、トップクラスのクリエイティブな企業がシンガポールを拠点としています。

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  • 今日、主要なガジェットにはシンガポール製の部品が使用されています。エレクトロニクス産業の一流企業は、シンガポールで未来を設計しています。

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  • 精製、オレフィン製造、化学製品製造、ビジネスと革新力が強力に融合するシンガポールは、世界最先端のエネルギーと化学産業のハブに数えられています。100社を超えるグローバル化学企業が主要な事業を当地に構えています。

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  • アジアのデジタルの中心都市として、シンガポールは情報通信技術 (ICT) 企業が選ぶ拠点となっています。世界クラスのインフラ、人材、活気のあるパートナーのエコシステムを提供しています。一流企業と連携して、最先端の技術とソリューションを開発し、シンガポールのビジョンであるスマートネーションと地域および世界の市場を支えています。

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  • アジアの流通のハブとして、当地域内外への世界クラスのコネクティビティを提供します。安全で効率的なロジスティクスと、サプライチェーン管理ハブとしての妥当性を以て、シンガポールは地域の境界を超えた取引と消費に貢献しています。

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  • シンガポールは、医療技術企業がこの地域で成長するための戦略的な拠点です。今日、多くの多国籍医療技術企業がシンガポールを拠点として、地域本社機能や製造、研究開発を行なっています。

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  • 資源豊かなアジアの中心に位置するシンガポールは、農産物、金属、鉱物のグローバルハブです。我が国のビジネス環境は、強力な金融、サプライチェーン管理、技術力を以て、世界をリードする企業を引き付けています。

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  • シンガポールは、アジアでも主要な石油 ・ ガス (O&G) 装置とサービスのハブであり、3,000社を超える海洋・オフショアエンジニアリング (M&OE) の会社があります。世界クラスの機能と優れたコネクティビティは、アジアの強力な成長の可能性に着目する多くの企業をシンガポールに誘引しています。

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  • シンガポールが有する優れた人材、強い生産能力、研究開発のエコシステムは、製薬やバイオテクノロジー企業を誘引しています。企業はシンガポールから世界中の人々に薬を提供し、アジア市場の成長を担っています。

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  • シンガポールの洗練された精密工学(PE)の能力と先進の製造技術で主要分野である高度な製造な地域ハブとしての強みを反映しています。

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  • シンガポールは、プロフェッショナル・サービス企業に最適なハブであり、国際的な労働力と信頼できる規制と枠組みを提供します。

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  • アジアは世界的な都市化のメガトレンドの中心であり、人口集中や公害、環境悪化などの都市問題の軽減を目指して、各国政府はスマートで持続可能なソリューションの開発を推進しています。大企業のいくつかはシンガポールを拠点として、アジアのために持続可能なソリューションを商業化すべく、革新、試行、連携を進めています。

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